判型早見表——大判は39×26.5cm。画面で原寸を見る

展示室の解説に「大判錦絵」と書いてあっても、それが何センチなのかは書いてありません。額を選ぶときにも、通販の写真を見るときにも要る数字を、一枚にまとめました。

まず、原寸で見てください

下の朱枠が大判の実物大です。横に置いたクレジットカードも同じ縮尺なので、手元のカードを画面に当てれば、ずれているかどうかがすぐ分かります。

大判
39×26.5cm
原寸
クレジットカード
85.6×54mm

横にはみ出すときは、この枠の中を左右にスクロールしてください。

画面上の原寸表示は、ブラウザが「1インチ=96ピクセル」と決め打ちして換算しています。実際の画素の細かさは端末ごとに違うので、少しずれることがあります。カードを当ててみて合っていなければ、その端末ではこの欄は目安と考えてください。

判型の一覧

寸法は縦×横。手漉きの紙なので、同じ判型でも数センチの幅があります。
判型寸法(縦×横)もとの紙と切り方よく使われた場面
大判(おおばん)約39×26.5cm大奉書(39×53cm)を半分いちばん標準。名所絵・美人画・武者絵
間判(あいばん)約33×23cm小奉書(33×47cm)を半分大判より一回り小さい版
中判(ちゅうばん)約26×19.5cm大奉書を4つ切り春信のころの中判は別系統で約29×22cm
細判(ほそばん)約33×15cm小奉書を3つ切り18世紀後半の役者絵に多い
大短冊判(たんざくばん)約39×17.5cm大奉書を縦3つ切り花鳥画、広重の縦長の風景
中短冊判約39×12cm同上、より細く同上
長判(ながばん)約52×25.6cm丈長奉書を3つ切り大判より縦に長い
柱絵(はしらえ)約72×13cm丈長奉書(53×72cm)を4つ切り部屋の柱や壁に直接貼る
豆判(まめばん)約12×7.5cm—手のひらに載る小さな一枚
三枚続約37×75cm大判3枚を横に並べる合戦図、役者の舞台場面
団扇絵(うちわえ)——骨に貼って団扇にするための絵。仕立てて使ったものはほとんど残らず、現存するのは貼られないままの四角い状態が多い。標準寸法を示す資料は見つけられませんでした

寸法はJAANUS(コロンビア大学の日本美術建築用語辞典)と国内の版画専門店の記載を突き合わせた中心値です。三枚続の数字は、太田記念美術館が実測値を公開している国芳「大江山酒呑童子」36.1×75.7cmを目安にしています。

同じ縮尺で並べる

六つの判型を同じ縮尺で 柱絵 72×13 大判 39×26.5 間判 33×23 細判 33×15 中判 26×19.5 豆判 12×7.5
1センチを5ピクセルとして並べています。単位はセンチメートル、縦×横。柱絵の細長さと、豆判の小ささが、数字で見るより実感しやすいはずです。

なぜこの寸法なのか——紙の切り方で決まる

判型の数字は、絵師が決めたものではありません。もとになる奉書紙(ほうしょがみ)の全紙を、何等分するかで決まります。

全紙を何等分するかで、判型が決まる 大奉書 39×53cm 朱の線で半分 → 大判2枚 破線も入れて4つ切り → 中判4枚 小奉書 33×47cm 半分 → 間判2枚 小奉書 33×47cm 3つ切り → 細判3枚
大奉書からは大判と中判、小奉書からは間判と細判が取れます。細判が縦に長いのは、紙を縦に三等分したからです。柱絵はさらに大きい丈長奉書(53×72cm)を四つに切って作ります。

この関係が分かると、判型どうしの寸法が妙に噛み合っている理由も見えてきます。大判の縦39cmと中判の縦26cmは、同じ一枚の紙の長辺と短辺です。版木・紙・顔料で紙そのものの話を書きました。

数字は目安です

この表の数字を額の内寸にそのまま使うと、たぶん合いません。江戸時代の和紙に規格はなく、同じ大判でも数センチの幅があります。実測値の例を挙げると、太田記念美術館が公開している歌麿「青楼七小町」は37.0×24.9cm。名目の39×26.5cmより、縦で2cm、横で1.6cm小さい。広重の大短冊判「獅子の児落し」は38.4×16.8cmで、こちらは表の値に近い。

そこへ、後から縁を切り詰められた個体という要因が重なります。額装や貼り込みのために四辺を落とされた一枚は、さらに小さい。この話は切られた浮世絵、切られていない浮世絵に書きました。買う前に寸法を確かめる、額は現物を測ってから選ぶ——結局そこに落ち着きます。

判型から分かること

寸法は、その一枚が何のために作られたかを教えてくれます。細判の縦長は18世紀後半の役者絵に多く使われた形で、三枚を並べて舞台の一場面にすることもありました。柱絵の72×13cmという極端な縦長は、部屋の柱に直接貼るための寸法です。掛軸にする手間も場所も要らず、柱一本あれば絵が飾れる。

三枚続は横に75cm前後になります。壁に掛けるとかなりの面積で、額装するとさらに一回り大きくなる。買ったあとの手入れでも書きましたが、置き場所は買う前に決めておいたほうがいい寸法です。市場で三枚続のうち一枚だけが安く出ているのは、残りの二枚が散ってしまったからで、そのあたりの事情は手を出しやすい浮世絵にまとめてあります。

東洲斎写楽が描いた三代目大谷広次の役者絵。縦に細長い細判のプロポーションで、格子柄の着物の人物が立つ
東洲斎写楽、三代目大谷広次を描いた役者絵。寛政6年(1794)、細判3枚続の左端の1枚で、縦31.1×横14.1cm。表の細判の値(33×15cm)より一回り小さく、これも実測値の幅の中に入ります。 シカゴ美術館蔵(CC0 / パブリックドメイン)

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